日本ハムファイターズがパ・リーグのレギュラーシーズンの優勝を決めた。
もっとも、日本一になったわけでもなければリーグ優勝したわけでもないが、
それでも12球団で最も優勝から遠ざかっていたファイターズ(実に25年ぶり)
にとっては喜びもひとしおだろう。
ファイターズが東京から北海道に移転してからはや2年余り。巨人ファンが
圧倒的に多い北海道ではファイターズの移転は絶対に成功しない、というのが
当時の下馬評であったが、そんな期待(?)はいい意味で見事に裏切られた。
「これからはパ・リーグです!」
ニューヨーク・メッツから日本に凱旋帰国した新庄剛志が「SHINJO」となって
ファイターズに電撃入団した際、ファンや記者を前に高らかにこう宣言した。
結果、SHINJOはその華麗なプレイもさることながら、そのパフォーマンスで
観客を魅了し、移転2年目には自らの公約であった「札幌ドーム満員御礼」を
果たすこととなった。何かと物議はかもすが、やる時はやる男である。
ファイターズの移転成功物語。長年のスワローズ・ファンである私としては
正直何ともうらやましい気持ちである。今シーズン、スワローズは古田監督の強力なリーダーシップのもとチーム名を「東京ヤクルトスワローズ」に改め、「F-PROJECT」と称する「メガネデー」等のさまざまなイベントを開催した。神宮球場周辺の商店街と連携したサービスを展開したり、地元の小学校訪問といった地域貢献活動も行ったりと、首都東京の地元球団としてのスワローズを意識した活動を展開してきた。そのこと自体は大変に素晴らしいことであるがそれで集客アップに結びついたという話は寡聞にして聞かない。
この辺はしょせんスワローズだから人気が出ないのか(言い方悪いですが)
東京だから地域ナショナリズムが盛り上がらないのか、どっちなんですかね。
2006年10月04日
2006年10月03日
黒澤清は満員御礼の夢を見るか?
黒澤清監督の映画『LOFT』を観た。映画監督で黒澤といえば多くの読者諸兄は明氏を思い浮かべるだろうが、今は黒澤といえば清氏の時代なのだ。
立大在学中に映画評論家の蓮実重彦氏に師事。自主映画『しがらみ学園』でPFF(ぴあフィルムフェスティバル)入賞。商業映画デビューを飾り、その後暫く不遇の時代が続くが、97年に公開された『CURE』で世界的な注目を浴びる。スプラッター映画のような過剰な殺戮表現ではなく、省略することで受け手に<恐怖>を想起させる黒澤清のホラーの手法はフランスや英国においてもう一人の「クロサワ」として称されるほど認知されている。
で、件の『LOFT』だが、色んな意味でスゴイし、色んな意味で微妙(笑)。
何がスゴイか。中谷美紀が美しい。が、イメージに輪をかけて考薄そうな役。
若手女流作家だが平気で人の作品からパクリまくる。あからさまに挙動不審。
「預かってくれませんか、ミイラ」
ロクに面識のない人間に表情一つ変えずそう頼むこむトヨエツ(豊川悦史)。
ジョニー・デップばりの怪演技が光る、幽霊役ハマり過ぎの安達裕実。
ありえない。どれもこれも現実離れしてるし、誰も彼も何かが間違ってる。
だが、私は思った。通常ありえないことが起こってこそホラーではないかと。
ネタバレになるので詳細は秘すが、この映画はラストのどんでん返しが一応のウリとなっている。一言だけ言っとこう。なるほど、確かに衝撃のラストだが
一歩間違えば笑撃のラストである。実際、劇場は微妙な笑いに包まれていた。
かつて、クインシー・ジョーンズが言った。
「エンターテイメントとは綱渡りのようなものである」
マイケル・ジャクソンを世に出したプロデューサーがインタビューの場でふと洩らした一言であるが、おそらくは本音であったに違いない。それは商業性と芸術性のあいだという意味においてもそうであろうし、作品作りのスタンスと意味でもそうだろう。もっとも、マイケル自身がある意味綱渡りだが(笑)。
果たしてこの『LOFT』はホラー映画なのか、ギャグ映画なのか。名作なのか
駄作なのか。そして、これを作った黒澤清は天才なのか、ただの天然なのか。
だが、そんなことは実は問題ではない。一見矛盾するようだが、一口で答が
出ないような受け手一人ひとりの多様な解釈が出来るのが映画の醍醐味だ。
いい意味で騙されてこそ、観客を裏切ってこその映画じゃないか。とりあえず
私はそのようにこの映画を解釈することにしたのだが、私のつたない映画評は
ともかくとして、一つだけはっきりしてるのはこの映画は商業的には関係者を
裏切ったという紛れもないイタイ事実である(笑)。黒澤清の映画は常に客が
入らないことでつとに有名だが、この映画も案の定最低1月以上は公開予定のはずが、3週も経たないうちにほとんどの劇場で上映が終わってしまった。
北野武監督も「俺の映画は海外での評判はいいのに客が入らない」とかつて嘆いていたが、黒澤清の作品は北野武に輪をかけて昔から客が入らない。私が見たときも満員と聞いてあわてて劇場に入ったら、客が3人しかいなかった。
ある意味、こっちの方が色々な意味でホラーである。
立大在学中に映画評論家の蓮実重彦氏に師事。自主映画『しがらみ学園』でPFF(ぴあフィルムフェスティバル)入賞。商業映画デビューを飾り、その後暫く不遇の時代が続くが、97年に公開された『CURE』で世界的な注目を浴びる。スプラッター映画のような過剰な殺戮表現ではなく、省略することで受け手に<恐怖>を想起させる黒澤清のホラーの手法はフランスや英国においてもう一人の「クロサワ」として称されるほど認知されている。
で、件の『LOFT』だが、色んな意味でスゴイし、色んな意味で微妙(笑)。
何がスゴイか。中谷美紀が美しい。が、イメージに輪をかけて考薄そうな役。
若手女流作家だが平気で人の作品からパクリまくる。あからさまに挙動不審。
「預かってくれませんか、ミイラ」
ロクに面識のない人間に表情一つ変えずそう頼むこむトヨエツ(豊川悦史)。
ジョニー・デップばりの怪演技が光る、幽霊役ハマり過ぎの安達裕実。
ありえない。どれもこれも現実離れしてるし、誰も彼も何かが間違ってる。
だが、私は思った。通常ありえないことが起こってこそホラーではないかと。
ネタバレになるので詳細は秘すが、この映画はラストのどんでん返しが一応のウリとなっている。一言だけ言っとこう。なるほど、確かに衝撃のラストだが
一歩間違えば笑撃のラストである。実際、劇場は微妙な笑いに包まれていた。
かつて、クインシー・ジョーンズが言った。
「エンターテイメントとは綱渡りのようなものである」
マイケル・ジャクソンを世に出したプロデューサーがインタビューの場でふと洩らした一言であるが、おそらくは本音であったに違いない。それは商業性と芸術性のあいだという意味においてもそうであろうし、作品作りのスタンスと意味でもそうだろう。もっとも、マイケル自身がある意味綱渡りだが(笑)。
果たしてこの『LOFT』はホラー映画なのか、ギャグ映画なのか。名作なのか
駄作なのか。そして、これを作った黒澤清は天才なのか、ただの天然なのか。
だが、そんなことは実は問題ではない。一見矛盾するようだが、一口で答が
出ないような受け手一人ひとりの多様な解釈が出来るのが映画の醍醐味だ。
いい意味で騙されてこそ、観客を裏切ってこその映画じゃないか。とりあえず
私はそのようにこの映画を解釈することにしたのだが、私のつたない映画評は
ともかくとして、一つだけはっきりしてるのはこの映画は商業的には関係者を
裏切ったという紛れもないイタイ事実である(笑)。黒澤清の映画は常に客が
入らないことでつとに有名だが、この映画も案の定最低1月以上は公開予定のはずが、3週も経たないうちにほとんどの劇場で上映が終わってしまった。
北野武監督も「俺の映画は海外での評判はいいのに客が入らない」とかつて嘆いていたが、黒澤清の作品は北野武に輪をかけて昔から客が入らない。私が見たときも満員と聞いてあわてて劇場に入ったら、客が3人しかいなかった。
ある意味、こっちの方が色々な意味でホラーである。


